プロジェクト事例

プロジェクト事例

一般社団法人プロジェクションマッピング協会が主催する『TOKYO LIGHTS』は、日本各地のさまざまな建築物を舞台に開催される、世界最大級の映像祭典です。毎年異なる制作テーマに沿ったプロジェクションマッピング作品で世界一の称号を競い合い、上位入賞者には毎年日本の技術の粋を凝らしたトロフィーが贈呈されます。

ムソー工業では、2022年という10周年の節目の大会で贈られる記念プレートを制作しました。プレートの加工だけでなくデザイン段階から携わり、上位者の栄誉ある賞をより輝かせることに貢献しました。

一般社団法人プロジェクションマッピング協会が主催する『TOKYO LIGHTS』は、日本各地のさまざまな建築物を舞台に開催される、世界最大級の映像祭典です。毎年異なる制作テーマに沿ったプロジェクションマッピング作品で世界一の称号を競い合い、上位入賞者には毎年日本の技術の粋を凝らしたトロフィーが贈呈されます。

ムソー工業では、2022年という10周年の節目の大会で贈られる記念プレートを制作しました。プレートの加工だけでなくデザイン段階から携わり、上位者の栄誉ある賞をより輝かせることに貢献しました。

企画・デザインから一緒に作り上げていく

高い提案力が求められるプロジェクト。

企画・デザインから一緒に作り上げていく

高い提案力が求められるプロジェクト。

世界最大級のプロジェクションマッピングの国際大会『TOKYO LIGHTS』は、プロジェクションマッピングの制作に関わる者なら知らない人はいないと言えるほど、世界的な影響力のある“光の祭典”だ。2012年から始まった本大会では、歴史的建造物に映し出される映像作品を見に毎年多くの観光客が訪れる。

クリエイターがしのぎを削って披露し合う作品の魅力は言うまでもないが、それ以外にもこの大会には特徴的な要素がある。その1つが、上位入賞者に贈呈されるトロフィーだ。過去には江戸切子を用いたトロフィーなど、日本の伝統技術とアートを融合させた作品が栄誉とともに贈られる。

そして、2022年という10周年を迎える節目の大会でこのトロフィー制作を引き受けることになったのが、ムソー工業だ。プロジェクションマッピング協会代表の石多氏は、ムソー工業が鉄工島フェスなどのイベントを通してクリエイターと協創事例があることを知り、声をかけたという。

ところが、相談時にはまだトロフィーのデザインは構想段階。東京都のシンボルマークであるイチョウの葉をモチーフにすること、また今大会のテーマが「LIFE/命・暮らし・人生」であることは決まっていたものの、図面もないため具体的な形状やどのように作り上げるかは、協会とムソー工業の対話の中で決めていく必要があった

こうして手探り状態のところから、光の祭典にふさわしいトロフィーを制作するためのプロジェクトが始まった。

世界最大級のプロジェクションマッピングの国際大会『TOKYO LIGHTS』は、プロジェクションマッピングの制作に関わる者なら知らない人はいないと言えるほど、世界的な影響力のある“光の祭典”だ。2012年から始まった本大会では、歴史的建造物に映し出される映像作品を見に毎年多くの観光客が訪れる。

クリエイターがしのぎを削って披露し合う作品の魅力は言うまでもないが、それ以外にもこの大会には特徴的な要素がある。その1つが、上位入賞者に贈呈されるトロフィーだ。過去には江戸切子を用いたトロフィーなど、日本の伝統技術とアートを融合させた作品が栄誉とともに贈られる。

そして、2022年という10周年を迎える節目の大会でこのトロフィー制作を引き受けることになったのが、ムソー工業だ。プロジェクションマッピング協会代表の石多氏は、ムソー工業が鉄工島フェスなどのイベントを通してクリエイターと協創事例があることを知り、声をかけたという。

ところが、相談時にはまだトロフィーのデザインは構想段階。東京都のシンボルマークであるイチョウの葉をモチーフにすること、また今大会のテーマが「LIFE/命・暮らし・人生」であることは決まっていたものの、図面もないため具体的な形状やどのように作り上げるかは、協会とムソー工業の対話の中で決めていく必要があった

こうして手探り状態のところから、光の祭典にふさわしいトロフィーを制作するためのプロジェクトが始まった。

本物のイチョウの葉にメッキを施す。

その提案が、世界でも類を見ない作品の実現へと導いた。

本物のイチョウの葉にメッキを施す。

その提案が、世界でも類を見ない作品の実現へと導いた。

デザイン工程から関わる中で、尾針は考えた。

「モチーフであるイチョウを際立たせるには、金属で葉を再現するだけでなく、本物の葉も組み合わせられないか

葉脈の細かな凹凸やシワの表情など、本物の葉の質感をそのまま金属として残すことができれば、今大会のテーマの「LIFE」にもマッチする。そう思った尾針はさっそく協会に提案した。すると、協会側は即座に反応した。

「それは面白いですね。ぜひ生の葉を使ってください」

対話の中で、デザインが具体化していく瞬間だった。自然物に金属メッキを施すことは日常業務ではあり得ないが、決して不可能な技術ではない。葉の質感を損なうことなく慎重にメッキ加工を行い、見事にテーマである「命」を閉じ込めることに成功した

さらに、チタンを素材として使用するイチョウの葉の制作にも挑戦した。チタンは、塗装をしなくてもそれ単体でさまざまな色味を表現でき、長期にわたって剥げたり色褪せたりしないという特徴がある。入賞の栄誉ある記念品であるからには、数年、数十年が経過しても輝きが衰えないようなものにしたい――。これも協会側の要望ではなく、ムソー工業の方から技術提案を行った内容だ。

1枚1枚の葉の形状を手書きで正確に書き起こし、それを機械で加工できるCADデータに変換するという極めて地道な作業だったが、その結果生まれたのは、メッキを施した生きたイチョウの葉と美しい色合いのチタン製の葉が混在する、アートの祭典にふさわしい唯一無二の記念プレートだった。

デザイン工程から関わる中で、尾針は考えた。

「モチーフであるイチョウを際立たせるには、金属で葉を再現するだけでなく、本物の葉も組み合わせられないか

葉脈の細かな凹凸やシワの表情など、本物の葉の質感をそのまま金属として残すことができれば、今大会のテーマの「LIFE」にもマッチする。そう思った尾針はさっそく協会に提案した。すると、協会側は即座に反応した。

「それは面白いですね。ぜひ生の葉を使ってください」

対話の中で、デザインが具体化していく瞬間だった。自然物に金属メッキを施すことは日常業務ではあり得ないが、決して不可能な技術ではない。葉の質感を損なうことなく慎重にメッキ加工を行い、見事にテーマである「命」を閉じ込めることに成功した

さらに、チタンを素材として使用するイチョウの葉の制作にも挑戦した。チタンは、塗装をしなくてもそれ単体でさまざまな色味を表現でき、長期にわたって剥げたり色褪せたりしないという特徴がある。入賞の栄誉ある記念品であるからには、数年、数十年が経過しても輝きが衰えないようなものにしたい――。これも協会側の要望ではなく、ムソー工業の方から技術提案を行った内容だ。

1枚1枚の葉の形状を手書きで正確に書き起こし、それを機械で加工できるCADデータに変換するという極めて地道な作業だったが、その結果生まれたのは、メッキを施した生きたイチョウの葉と美しい色合いのチタン製の葉が混在する、アートの祭典にふさわしい唯一無二の記念プレートだった。

制作の裏側には高専生の存在も。

技術を次世代へつなぐ、町工場の使命を体現。

制作の裏側には高専生の存在も。

技術を次世代へつなぐ、

町工場の使命を体現。

大会当日、エントリーした世界55か国241組が各々のプロジェクションマッピング作品を披露し合った。そして上位入賞者には、東京都の小池都知事からムソー工業の制作した記念プレートが贈呈され、大会は大盛況で終わりを迎えた。

ムソー工業の技術力と提案力、そして製品開発力を象徴する舞台となった本プロジェクトだが、もう1つの重要な意味があった。実は、記念プレートの制作には、ムソー工業が受け入れていた東京都立産業技術高等専門学校のインターンシップ生が携わっていたのだ。学生たちは製造現場の一連の流れを間近で体験し、記念プレート制作における一部の工程で協力してもらった。

自分が関わった作品が誰かの手に渡る。それは教科書では学べない、実際にものづくりを通してしか得られない貴重な体験だ。学生たちが今回をきっかけに製造業に興味を持ち、いつしか町工場の未来を担ってくれるように…。

プロジェクションマッピングという最先端のアートと金属加工という伝統的な技術の融合によって生まれたトロフィーは、光の祭典を彩ると同時に、若い世代へ技術を伝える場にもなっていた。

大会当日、エントリーした世界55か国241組が各々のプロジェクションマッピング作品を披露し合った。そして上位入賞者には、東京都の小池都知事からムソー工業の制作した記念プレートが贈呈され、大会は大盛況で終わりを迎えた。

ムソー工業の技術力と提案力、そして製品開発力を象徴する舞台となった本プロジェクトだが、もう1つの重要な意味があった。実は、記念プレートの制作には、ムソー工業が受け入れていた東京都立産業技術高等専門学校のインターンシップ生が携わっていたのだ。学生たちは製造現場の一連の流れを間近で体験し、記念プレート制作における一部の工程で協力してもらった。

自分が関わった作品が誰かの手に渡る。それは教科書では学べない、実際にものづくりを通してしか得られない貴重な体験だ。学生たちが今回をきっかけに製造業に興味を持ち、いつしか町工場の未来を担ってくれるように…。

プロジェクションマッピングという最先端のアートと金属加工という伝統的な技術の融合によって生まれたトロフィーは、光の祭典を彩ると同時に、若い世代へ技術を伝える場にもなっていた。